ワト子んとこ

脱サラしてひっそり暮らしています。おすすめの本、ふたりキャンプ、月曜断食のことなど。

ボイストレーナー「あいみょんで阿部真央を歌ってみて」

記事が長く、しかも思いついたままに書いてしまいました。ボイトレで出したい声が出せなくて困っているかたは時間があるときに読んでもらえたらうれしいです。専門的な解決策が書いてあるわけではなく、素人の体験談です。

 

私は8年ほどボイトレに通っている。月2回、ずっと同じトレーナー(以下、先生)にお世話になっている。特に歌で活躍したいわけではないが、年1回程イベントステージで歌う。人生の中で、こんなに続けているものはない。自分の声を、好きな歌手に近づけるために分析して、練習することが大好きなのだ。それと、先生の指導方針と生き方に惚れ込んでいるというのも、続けられている理由の一つだ。

この先生の教え方は実に面白い。ボイトレメニューは一般的なものだが、どうすればもっと良くなるかの説明をしてくれる時の、例え話が非常にユニーク。私はいつも大笑いして涙でマスカラが落ちる。「ジンベイザメになってみて!」とか言われたこともあるなぁ。変な擬音語もよく作り出している。私の文章力では面白さを伝えられないのが残念。このおかしな指摘がすごく的確で、すぐに効果が表れてしまう。4人程、他の先生を見たことがあるが、私に合っていたのは今の先生だった。

8年間の積み重ねはまた今度書くが、今日のレッスンは目から鱗だったのでここに残しておくことにした。

阿部真央さんの声が出したい

今まで、YUIやいきものがかかり、絢香(敬称略)をたくさん練習してきた。声に息がたくさんのっている、こういう系の歌手をコピーするのが自分でもしっくりくる。でも8年も通っていると、自分には出せないと思っていた声に挑戦したくなってくる。

私にとっての憧れの声は阿部真央。力強くパリッとしたエッジの効いた声。彼女の曲は全然歌えない。他の歌手の曲ならできることも、阿部真央の曲となるとミドル→チェストへのチェンジがうまくいかなかったり、リズムに乗れなかったり、抑揚をつけられなかったりする。まず自分に合った声で基礎を固め、気持ちよく歌うことが最優先と思い、8年間、阿部真央には踏み出せずにいた。最近、基礎ができ自分の声を確立したので、いよいよ、2018年8月から挑戦することになった。

ミキティ~~~!!!

歌えるようになりたいのは、「優しい言葉*1」という曲だ。ザ・阿部真央のロック。声を高らかに張り上げる、疾走感あふれるナンバーだ。挑戦するからには、聴いている人を圧倒するほどの声量とパフォーマンスでなければならない。

さて、レッスン初日、最大ボリュームで歌ってもまったく圧は生まれない。どうしても優しくなってしまう。「普通に自分の住所と名前を叫んでみて」と先生に言われたが、やってみたら全く叫べない。

「じゃあ、ミキティ~~~!!はどう?」

恥ずかしくてむしろ無理です、と笑いながらも挑戦したが叫べず。私は気づいた、社会人になってからまったく叫んでいないせいで、叫び方を忘れてしまったことに。聞いている側が、やめろーーーー!、となるボリュームで叫ぶことができないのだ。セキュリティの関係で、小声で話すことを推奨されていたオフィスで、10年弱、話していたせいだと思う。

3ヶ月間、2週間に1回、スタジオに入って、自分の名前と住所、そしてミキティ~~~!!を叫んで、ようやく叫ぶ感覚を取り戻した。

そしてついに覚醒する

叫ぶことのほかにも様々なトレーニングをこなし、あと一歩のところまできた。最後の殻が打ち破れない。自分のものにして、安定感を出すことだ。そこで先生が、試しに似た歌手の別の曲を歌ってみようと言うので、あいみょんの「マリーゴールド」を練習していった。

すると、あいみょんではすべきことができているという。それだよ、その感覚だよ、と。「あいみょんでできている発声が阿部真央の曲になるとできなくなるのか...。よし、じゃあ阿部真央マリーゴールド歌ってみて。」

驚くことに(驚いているのは私だけかもしれないが)、さっきまで歌えていたのに今度はマリーゴールドが安定しなくなってしまったのだ。これで、曲のせいではなく意識や癖が原因で歌えていないことが明らかになった。

「じゃあ、今度はあいみょんで優しい言葉歌ってみて。」

そして…

できたーーー!これだーーーーー!やったぁーーーーーーー!ようやくコツをつかんだ。

結論

「優しい言葉」「マリーゴールド」を歌い比べることで、やっと、何が違うのかを頭で理解できてきた。おそらく自分の耳では、阿部真央は声が高く(高い成分が多いという感じ..)、やや鼻声に聞こえていたため、無意識に喉仏が上がって鼻から息が漏れていた。一方あいみょんは、声が太く聞こえていたため、それに近づくよう太い声を出そうとし、喉仏を下げてのどがリラックスした状態で歌うことができていた。要するに阿部真央が好きすぎて無駄な力が入っていたのをずっと抜けずにいた、ということになる。

 

ものまね芸人さんのネタで、「もしも○○さんが△△を歌ったら」というのを見たことがありますよね。みなさんも、もし、特定の歌手だけ歌えないと悩んでいたら、気分転換にやってみると突破口になるかもしれません。

 

 

おっぱじめ!(初回限定盤)(DVD付)

おっぱじめ!(初回限定盤)(DVD付)

 

 

*1:アルバム:おっぱじめ!に収録されている